2025年2月の出来事


写真:今シーズン最初に根本海岸入りしたシロチドリ♀.
「みんないつ来るのかなあ?」といった表情に見えたりします.

この2月は南房総うみはま研究会を始めて最初の「うみはま勉強会」を開くために参加者募集に力を入れていて,X(Twitter)の投稿は勉強会でご紹介する予定の写真をアップし続けていて,昔の写真が多くなっていました.
2月は特別な観察対象がミサゴくらいになるので毎年SNSもブログもネタが偏るので,例年と比べたら少し幅が広がって良かったかもと思ったりもしました.
それと同時に昨年の秋頃から昔のハードディスクの整理をしていたりもしているため,昔の写真が見つけやすかったという事もあります.
なので,以下の内容は「今月の」という感じではないものが多くなっています.
うみはま勉強会の方はこれを書いている現在6月ですが4回までが無事終了していて,YouTubeに当日の内容をアップしたりもしていてある程度思ったように進んでいます.
参加者の方は毎回一桁で多いとは言えないですが,リピート参加して下さっている方も多く,毎回一人くらいずつ新たな方が加わってくださっているような状態で私の理想とする状態に近いものとなってきています.
本当に嬉しい限りです.
まだご参加頂いていない方も是非お気軽にご参加頂ければ幸いです.
また参加された方には了承を頂いたうえで参加者限定メルマガをお送りしています.
今後の予定や新たなニュースを不定期にお届けしています.
気長に細々と楽しくまじめに続いて行くと良いなあと思っております.

写真:以前はウミガメ産卵調査時期以外では来る頻度が低かった根本海岸ですが,近年チドリの生息状況を年間通して観察している事で冬の姿を見る機会が増えました.

以下は今月のX(旧Twitter)投稿より引用し追記します.
投稿日が投稿内容の観察日ではない場合もあります.
写真はいつも通りこの月に撮影したものを文面の流れとあまり関係なく貼ってあり,それぞれ説明を入れてあります.

4日

久しぶりにミサゴが真上を旋回してくれました.
そろそろ繁殖地へ旅立つのでしょうか.
一方,シロチドリの繁殖地には一番乗りのメスが見つかりました.
今年も始まった!という感じの日でした.
南房総うみはま研究会も勉強会が始まります.
22日(土)是非ご参加ください!
南房総うみはま研究会ホームページ内「うみはま勉強会」のページ
当日の投稿

写真:重機で根こそぎにされて海浜植生群落の面積が減っていく一方の根本海岸ですが,ハマゴウがその名の通り浜を強情に護り抜くと決めているようです.
写真はハマゴウの根茎が砂丘を保っている事が簡単に分かる例.

5日

2/22のうみはま勉強会でご紹介する生きものたちのご紹介(その1)
今日はアカウミガメです.
写真は根本海岸で岩場に迷い込んでいた母ガメ.
ここは2000年に初めて産卵を確認した海岸でもあり,以降最も重視して記録を取って来た海岸です.
根本では「なぜこんなことに?」という事が多々ありました.
当日の投稿

6日

去年の根本海岸でのシロチドリ,コチドリ巣(産卵)位置のマップが完成していなかったので気になっていたところ,ちょうど依頼を頂いたので完成させました.
昨年は春先から調査を始めたので例年のウミガメ調査のついでの季節である6-8月以外の記録がしっかり取れました.
今回と2000年代初頭からの過去含め海岸のほぼ全域で産卵が確認できているので,同じくこの海岸のほぼ全域を使用するキャンプ場と共有していくためには柔軟対応が必須とよく分かります.特に問題の多いキャンプ場開設前の海岸造成時の配慮については今年も南房総市に対応希望を伝えます.
キャンプ場の外の巣は右(西)端のシロチドリ巣×3のみでした.ここも海水浴の人は入りますが近年は密度が低く,車も入れない為それほど心配はありません.一方でキャンプ場場外だからと犬を放す飼い主が結構多いのが心配のタネです.
今年もシロチドリのメスが1羽既に根本海岸入りしています.
キャンプ場エリアを示す赤枠を入れてみたもの.
この範囲は車も進入可でテントを張る位置も自由となっています.
昨年はキャンプ場が開いた後は運営の根本区と相談しながら囲いを設置し孵化まで十分な保護が出来ましたが,問題は開設前の重機による均し作業ですが南房総市が現場対応してくれません.
キャンプ場(赤枠内)の中での産卵では4月から5月ですが、7月は枠の外しか産卵していません。
6月の後半から7月前半にかけて行われる作業によって様々な攪乱があるので、それによって水際に追いやられている状況が見て取れます。
台風が来れば波を被ってしまう可能性の高い位置の産卵も複数ありました。
当日の投稿

写真:グンバイヒルガオ群落はさすがに冬は勢力が弱まりますが,その状況も記録しています.
昨年熟した種子がまだ見られます.

7日

2/22のうみはま勉強会でご紹介する生きものたちのご紹介(その2)今日はハマダンゴムシです.
写真は打ちあがった海藻を食べているところです.
体色がきれいで目がパッチリしていて可愛いので一部ではダンゴムシ界のアイドルと呼ばれているとかいないとか??砂浜を知るカギとなる生き物と言えます.
当日の投稿

9日

2/22のうみはま勉強会でご紹介する生きものたちのご紹介(その3)はスナビキソウです.
地味ですが砂浜にとっては大切な存在です.
名前の通り「砂を引き」留めて砂浜を安定させてくれます.
砂浜が砂浜であり続ける事の不思議の答えのひとつ.
当日は他の南房総で見られる海浜植物も紹介します.
当日の投稿

写真:モズは海岸に時々いて,植生内にいるバッタ狙いかな?と思っていましたが,この時はスナガニを仕留めていました.

10日

パブコメを送りました.
「令和6年度 東京湾沿岸海岸保全基本計画(案)に関する意見募集について」https://pref.chiba.lg.jp/kouwan/iken/2024/kaigannkeikaku.html 「令和6年度 千葉東沿岸海岸保全基本計画(案)に関する意見募集について」https://pref.chiba.lg.jp/kasei/iken/2024/pabukome.html 自分が大好きな海岸の計画案だけでも見てみて下さい.
2月17日締切です.

追記:南房総うみはま研究会ホームページに送付した意見内容を公開しました.
https://sites.google.com/view/umihama/おしらせ
当日の投稿

11日

第2回 2025年3月22日 10:30~11:30 「南房総のウミガメ(アカウミガメの産卵と漂着)」の予定を公開しました.
参加無料,要予約「お名前,メールアドレス」をメールにてご連絡お願いします.
連絡先,会場案内などは以下ご参照ください.
どうぞお気軽にご参加ください.
当日の投稿

写真:館山湾湾奥の正木の海岸は歩道を兼ねた堤防の海側と山側に海浜植生が僅かですが見られます.
一方ずっと奥の方に見える平久里川を挟んで向こう側の市街の八幡海岸,北条海岸は植生がほとんど排除されています.
浸食と飛砂が見られ,砂を道路から海岸へ運び戻すだけの作業が年中行われています.
そこに投入される税金はどれほどなのかと呆れてしまいます.
海浜植生を大切にすべき時です.

11日

2/22のうみはま勉強会でご紹介する生きもののご紹介(その4)はシロチドリです.
シロチドリの繁殖はウミガメ産卵調査を始めた事で気づいたもので,調査開始翌年の2002年からノートに繁殖記録がありました.
シロチドリはアカウミガメと同じレベルの保護対象指定がされており好む繁殖環境も共通です.
当日の投稿

13日

2/22のうみはま勉強会でご紹介する生きもののご紹介(その5)はクジラです.
と言っても,その漂着についてです.
南房総の砂浜を語るうえでクジラの漂着は欠かせませんので,漂着クジラ(ストランディング)についての回も設けますが,まずは一例を.
写真は根本海岸に埋められたマッコウクジラです.
第1回「南房総うみはま研究会のご紹介と南房総の海辺の生きものたちのご紹介」 2025年2月22日 9:30~11:30 無料 詳細,お申し込みは以下ご確認ください.会の入会の必要,会費もありませんのでお気軽にどうぞ.
初回ですので,南房総の海辺の生き物を広く紹介する予定です.
https://sites.google.com/view/umihama/うみはま勉強会
当日の投稿

写真:飛砂被害とは全く無縁な海岸.
波打ち際からの距離と砂丘の傾斜と砂丘を維持する能力を有する海浜植生種を自然なままにしておくことで当たり前に砂の被害は防げますし,海岸浸食とも無縁になるのは昔から海を観ている人には当たり前すぎてわからないのが不思議なくらい単純な事です.

15日

2/22のうみはま勉強会でご紹介する生きもののご紹介(その6)はアオミノウミウシです.
ギンカクラゲ(左)を食べているところで,多数打ちあがった中で生きていたものを容器に入れて撮影したものです.
砂浜には本当に様々なものが打ちあがります.
その他の砂浜に漂着する生物もご紹介致します.
当日の投稿

17日

今日のミユビシギです.
強い風の中,忙しそうに食べ物を探していました.
週末22日のうみはま勉強会では彼らについても少しご紹介します.
是非ご参加ください.
当日の投稿

写真:観光地では好まれないこのような漂着有機物の集まりも砂を海岸に保つために有用です.
砂だけになれば砂を誰も引き留める事は出来ません.
砂は水の次くらいに自由な存在です.

20日

2/22うみはま勉強会でご紹介する生きもの(その7)はイルカ(小型鯨類)です.
南房総では小型鯨類が定着したり,定置網に入ってしまったりという事が時々起こります.
第1回「南房総うみはま研究会のご紹介と南房総の海辺の生きものたちのご紹介」 詳細以下ご確認ください.
当日の投稿

21日

ちょっと昔の写真で2004年6月の根本海岸です.
手前は繁殖中のシロチドリ,奥のはウミガメの巣(卵)を保護する囲いです.
台風で流されても害のないものでと考え,漂着している竹を使っていました.
今はウミガメの産卵頻度が下がってシロチドリの保護が主体になりつつあります.
同じ年の7月の根本でのシロチドリの卵破損.
これは捕食でなく,人か犬が踏んでしまったのではないかと考えています.
埋もれ気味だったものを掘って確認した状態です.
なのでシロチドリも保護囲いが必要なのです.
当日の投稿

写真:南房総の海岸では時々こういうサイズの骨が落ちています.
多分,ゾウかキリンか恐竜かクジラだと思いますが.(クジラです笑)
その場所に過去どんなクジラが打ちあがったかを知っていれば種が特定できます.

23日

昨日第1回うみはま勉強会にご参加頂いた皆様本当にありがとうございました.次回以降もお気軽にご参加ください.
写真は魚を持って山に帰るミサゴと背景の雪山は遥か南アルプス.
雪とはほぼ無縁な南房総から眺める白い山々は別世界ですね.
ちなみに手前に写っている岩の白いのはウミウの糞なのです.
当日の投稿

23日

昨年行った「海岸生物に配慮した次世代ビーチクリーンの可能性」のスライドをYouTube公開致しました.
テロップで口頭説明を補ったかたちです.画面下方の解説もご確認ください.
ビーチクリーンを行っている方,海辺の生きものに関心のある方に是非見て頂ければと思います.

当日の投稿

26日

2009年のウミスズメです.
警戒してる時はこんな感じで羽搏きながら立ちあがってこちらを見ます.
でもウミスズメは漕ぎ進めていなければカヤックはほとんど気にしないです.
向こうから船体を突いてきた事もあったくらい.
群れだと気弱な個体が反応して全体にザワザワという事になりやすいという傾向.
当日の投稿

27日

越冬中のシロチドリの群れ.
植生の中で休んでいたところをビーチコーマーさんが接近してきて耐えきれず飛び立ち,しばらく海の上を右往左往...
強風続きの日々を海岸で過ごしてお疲れの様子.
植生の中に入らないようにしてあげると逃げ場を保ってあげられるので海にまでは追いやらずに済みます.
当日の投稿

写真:ミサゴが複数で見られる事の多い場所はある程度限られています.
美味しいお魚が沢山捕れるのでしょうね.

27日

2011年7月の根本マリンキャンプ場の写真が出てきました.
あの地震と津波を,少なくとも画面越しに疑似体験して半年も経たない時期に砂浜でキャンプするのは怖くなかったのでしょうか.
現在ではこの地震発生時の誘導看板もなく...
ちなみに根本海岸は関東大震災の隆起で広がった砂浜でもあります.
当日の投稿

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南房総うみはま研究会

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写真:今年もいつもの港で採餌するミユビシギの群れが観察できました.
足環を付けている個体が含まれていないので毎年同じメンバーなのかが判りませんが,ここまで固定的にここを目指してくるので多分同じかなと考えています.